top of page

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

  • 執筆者の写真tkk-lab

Q626.オーストラリアに輸出する電気製品のCEマーキング要求について

2022年09月28日更新

【質問】

オーストラリアに電気製品を輸出する契約を輸入者と進めています。 輸入者からCEマーキングの要求がありますが、EUのCEマーキング対応でよいのでしょうか。

 

【回答】

貴社が契約を進めている輸入者が輸入後、貴社製品をどのように扱うかにより対応は異なってきます。


貴社製品を輸入者がオーストラリアで販売しその後、EUへの上市・流通を意図している場合はC Eマーキング対応とRCMマークへの対応が必要となり、オーストラリアへのみの上市・流通の場合はRCMマークへの対応が必要となります。 オーストラリアへの輸入後、オーストラリア国内への上市・流通がなくEUに上市・流通する場合、CEマーキングのみの対応を要求されるケースが考えられます。(*1)


(1)CEマーキングを取得して輸出対応する場合

オーストラリアの輸入者においてその後、EUへの上市、流通を意図する場合は、RoHS指令(Directive 2011/65/EU)(*2)、EMC指令などの対応として製品にCEマーキングを取得する必要があります。 RoHS(Ⅱ)指令はEUの輸入者に輸入者の義務として、製造業者が要求事項を満たしていることを確認する義務を課しています。 したがって、貴社が関知していない企業がEUの輸入者として、貴社へ問い合わせをする可能性があります。 状況によっては、一定期間内にEU適合宣言書(DoC)やテクニカルドキュメント(TD)提出などの要求されることが考えられます。


① CEマーキングの取得・貼付について

CEマーキングの貼付は、RoHS(Ⅱ)指令の第7条の製造者の義務として規定されており、以下の要求事項に対応することで貴社製品への貼付が可能となります。


・RoHS(Ⅱ)指令の要求に適合していることを示す技術文書を作成(10年間保管)

・指令No 768/2008/EC の附属書Ⅱのモジュール A に従い、内部生産管理手続きを実施

・EU適合宣言書を作成(10年間保管)


②RoHS(Ⅱ)指令のみではなく貴社の電気製品においてEMC指令(2014/30/EU)や低電圧指令(2014/35/EU)などその他指令にも該当する場合は、全てにおいて適合する必要があります。


(2)RCMマークを取得して輸出対応する場合

オーストラリアへ電気用品を輸出する場合、オーストラリアにおけるマーキング制度に対応する必要があります。 「Radiocommunications (Electromagnetic Compatibility) Standard 2017」や「Radiocommunications Labelling (Electromagnetic Compatibility) Notice 2017」は、規格認証した電気用品に「RCMマーク」を表示することをサプライヤーへ義務付けています。(*3)


①RCMマークとは

EESS(Electrical Equipment Safety System)への適合証明として、各州個別にあった安全マークは、RCMマークに統一されました。 この結果、州ごとに異なっていた電気用品の安全基準がEESS(Electrical Equipment Safety System)に統合され、EESSへの適合証明がRCMマークとなりました。(*4) RCMマークは電気用品表面の見やすい場所に表示する必要がありますが、機器の構造上難しい場合はパッケージ上やディスプレイ内部での表示も認められています。 2013年3月にクイーンズランド州で運用が開始され、各州で順次その運用が進められていますが、ニューサウスウェールズ州については、まだEESSに参加していません。 従って、同州で該当する電気用品を販売する際には、同州の安全基準を確認する必要があります。


また、オーストラリア規格のASがありますが、そのうち無線通信法(Radiocommunications Act 1992)により規制されているものがEMC規格(Electromagnetic Compatibility)となります。適用対象となる電気用品は規格認証を行い、RCMマークを表示する必要があります。

②書類の保管

供給業者は上記結果に基づき、各レベルに応じた書類を準備し、保管しなくてはなりません(Compliance records)。 これらの書類はオーストラリア通信メディア庁(Australian Communications and Media Authority)ACMAの要請があった場合は、ただちに情報提供できるようにし、また商品の流通・販売が停止されたのち、5年間の保存義務を行う必要があります。


なお、オーストラリアへの輸入後、オーストラリア国内への供給がなくEUに供給される場合、Radiocommunications Labelling (Electromagnetic Compatibility) Notice 2017の2.1は、適用されるデバイスをオーストラリア国内への供給のため輸入されるデバイスと規定しているため、RCMマークの取得は不要になると考えられます。 このような場合、貴社はCEマーキングのみの対応を要求されると考えられます。


参考リンク

(*1) EU製品規則の実施に関するブルーガイド2022


(*2) RoHS指令


(*3) 無線通信(EMC)基準2017


(*4) 無線通信(EMC)ラベル基準2017

閲覧数:1,352回

最新記事

すべて表示

Q642.台湾電池規制に関する認可番号の取得について

【質問】 乾電池、ボタン電池を内蔵した産業用機械を台湾に輸入しようとしています。この電池が規制対象の電池の場合、この電池についてカドミウム、水銀の含有が無いデータを添えて、台湾当局に申請をして認可番号を取得する必要があるでしょうか? 【回答】 台湾では、「乾電池の製造、輸入、販売の制限」公告により1)、対象となる電池は、ご質問のように装置に組み込んで同梱する場合も含めて、指定分析機関での水銀及びカ

Q642.フランスのポリスチレン包装材の禁止法

2023年12月01日更新 【質問】 ポリスチレン包装材がフランスで禁止されると聞きました。 発泡スチロール容器も対象でしょうか。 【回答】 フランスの発泡スチロール容器の使用規制は「リサイクルできない」という条件があります。 貴社の販売方法などのビジネスモデルにより規制対象の該否が分かれます。 以下、規制内容をご紹介します。 §1 ポリスチレン包装材の規制 フランスのポリスチレン包装材は、環境コ

Q641.トルコRoHSの輸入者の義務について

2023年11月03日更新 【質問】 トルコRoHSの輸入者の義務として輸入者情報の記載が求められています。 これは輸入通関時ではなく「トルコのユーザーに納入する時」という意味で現地代理店が対応するという認識でよいのでしょうか。 【回答】 トルコで電子・電気機器(EEE)を輸入する事業者は、EEEの上市前に「電気・電子機器の特定有害物質使用制限規則」(トルコ版RoHS指令:ELEKTRİKLİ V

bottom of page